英語で歌うと上手くなる理由

〈はじめに〉

  • 上手い歌とはどんな歌なのか
  • 上手くなるために何が必要なのか

をお話し、一つの方法・有効な手段として『英語で歌う』ことを提案しました。

〈基礎知識1〉では

  • 英語と日本語で何か違うのか
  • 日本人がなぜ英語が苦手なのか

に触れて、いくつか特徴などを挙げました。

ここでは、
英語の発音で磨かれる能力が
まさに歌うために必要な能力
であることをお話ししたいと思います。

腹式呼吸の習得

英語は主に腹式呼吸で発話されます

それは、英語は子音骨格であることや強弱アクセントがあること、長いセンテンスを一呼吸で発話することなどの影響からです。

強い息の流れがなくては阻害を作ることができず、子音も上手く鳴らせず、アクセントもつきません。長い文章を一気に発話する際にもそれ相当の息が必要です。

英語を上手く発音するには腹式呼吸が必要
英語の正しい発音を練習は
腹式呼吸を練習することでもある

日本人は日本語を胸式呼吸で発話していることがほとんどです。
それは、日本語にはアクセントもなく、子音もあまり強く発音せず、短いセンテンスをつなぎながら文章にするため、腹式呼吸をあまり必要としないためです。

間違えてほしくないのは、”日本語は胸式呼吸で発音するもの”ということではありません。
スピーチや演説のように大勢の前で長い文章を大きな声で言いたい時などは、比較的腹式呼吸で話していると思います。
ただ、普段はそれほど腹式でなくても事足りるというだけです。

無意識とはいえ、普段から胸式呼吸で話している日本語を、歌う時だけ腹式呼吸にするのは難しいと思いませんか?

腹式呼吸のための筋力も、呼吸をコントロールする術ももたずに大声を出していれば、すぐに喉を傷めてしまい声は枯れてしまいます。

腹式呼吸は高い声や大きな声を出すためだけに必要なわけではありません。

呼吸の流れをコントロールできるのが
腹式呼吸の最大の利点!

低い音から高い音、弱い音から強い音…歌では次々と音が変化します。その変化に胸式呼吸では対応できないため、歌には腹式呼吸が必要なのです。

腹式呼吸をマスターすることで、喉の負担は軽減します。
腹式呼吸をマスターすることで、低い音や弱い音も響かせられます。
腹式呼吸で、もっと自由に歌うことができます。

日常会話レベルから腹式で発話される“英語”で歌う方が
腹式呼吸で歌う近道だということです。

リズムを歌う

音の三要素は

  • 高さ
  • 大きさ
  • 音色

音楽の三要素は

  • メロディー
  • ハーモニー
  • リズム

これらに規則性が伴って歌ができています。
なかでもリズムを歌うことが歌のセオリーです。

リズムとは、長短や強弱などの周期的に繰りかえされる音のまとまりのこと。

日本語の音節は等間隔のため、同じ長さの音符が連続した場合
“♪♪♪♪”は“タタタタ”と聞こえます。
ですから、音符自体の長さを変えないと規則性を与えにくくなります。

英語の場合は、同じ音符が連続しても、音節の長さはいろいろなのでもっと複雑なリズムが浮かび上がります。
“♪♪♪♪”に仮に“I found a love”という歌詞があれば、勝手に長短や強弱、呼吸の動きとして速い遅いの変化まで現れます。

これは勿論、正しい英語で発音した場合です。
「アイ/ファン/ダ/ラ~」のようにカタカナでブツブツ発音したら日本語と大差ありません。
しかし裏を返せば、正しく発音することができれば、規則性の乏しいメロディー(符割)のなかにでも、細かな変化や新たな規則性を生み出せるのです。

英語のことば(発音)にはリズムがある

日本人の英語を聞き取ってもらえない理由の一つが、このリズムです。
英語もつい日本語のように等間隔に発音してしまいます。

等間隔に発音された英語は、母音を中心に発音しており、子音の個性も現れておらず、アクセントもなければ、自然なリンキングもありません。

まとめ

英語と歌には次のような共通点があります。

  • 主に腹式呼吸を使う
  • 呼吸の流れが保たれている
  • リズムがある
  • 緩急などの抑揚がある 

英語を正しく上手く発音しようとすることで養われる能力があり、それがそのまま歌に必要な能力として生かされる

上手くなるために練習するなら、英語の方が近道!

英語で歌う利点はまだほかにもありますが、基礎知識としては一旦ここまでにしたいと思います。
より詳しいことは、英語歌唱メソッドを実践していく中でお話ししたいと思います。

それでは、『英語で歌えば上手くなる!』を始めましょう。
カテゴリー~デッサンする~にお進みください。