言語における音の単位

知らないと損をする“音節”
発音の正しさはこれで決まる!

言語音を音声として認識したときの“音のまとまり”を音節と言います。
音節については〈英語はリズム〉でも説明しています。

もう何度も出てきていますが、少しおさらいしておきます。

日本語で「こんにちわ」は、
“こ/ん/に/ち/わ”
と区切ることができ5音節であることになります。
これを英語的な音節にすると
“kon/ni/chi/wa”や“kon/ich/wa”
などのようになります。
少なくても英語話者は、“ん”を1音節として認識できません。

発音上では、日本語も「こ/ん」とはっきり分けず「こn」と発音することが多いと思いますが、最小の音の単位として「ん」を認識することは可能です。
ゆっくり発音した時に、“独立した音として発音できる音”が音声認識においての単位と考えて良いでしょう。

ですので、日本語では基本的にかな一文字が1音節となります

1音節は、母音を中心とした音のまとまりで、次の4つが基本となります。

  1. 母音 
  2. 子音+母音 
  3. 母音+子音 
  4. 子音+母音+子音

日本語は主に2.ですね。
母音で終わる開音節が多いのが特徴です。例外として撥音と促音も1音節です
のでお忘れなく。
英語には2.のタイプもありますが、日本語にはない3.と4.の子音で終わる閉音節が多いのが特徴です。

日本語では撥音の“ん”は1音節ですが、英語では1音節として認識されません。「ko/n」ではなく「kon」までが一つのまとまりのように感じます。
逆に日本人は、2.が中心のため“hello”であれば、本来「hel/lo」なのですが、「he/llo」という分け方をしてしまいます。

聞こえ方の順番

音声を認識するとき、その聞こえ方(大きさ)には4段階あります。
おおきく聞こえる順に

  1. 母音
  2. 半母音(w,j)/鼻音(m,n)/流音(l,r)
  3. 摩擦音(f,s,vなど)/有声閉鎖音(b.d,g)
  4. 無声閉鎖音(k,p,t)

※子音については〈英語脳をつくる〉を参照してください。

音の原理として、強く振動している音や長く聞こえる音は大きく聞こえ、反対に振動が弱い音や短く聞こえる音は小さく感じます。

結果的に、4.の無声閉鎖音が音声としてはもっとも認識しづらいわけです。
閉鎖音は息の流れを止めたときの音ですので、“止めた音”がするのであって、わざと鳴らすような“(息で鳴らした)トゥッ”とか“クッ”のような音ではありません。

同じ子音でも聞こえ方には違いがあります。

2.はすべて有声音なので、母音に次いで良く聞こえます。でも。聞こえてしまうがゆえに、日本人はこれをすべて母音にしてしまいたくなります。

3.の摩擦音は、振動こそしていませんが、無声音には高周波が多くが含まれているため、案外よく聞こえます。

日本人が良くやってしまうこと。
“聞こえた音はすべて均等に発音し、聞こえづらい音はすべて省略する”
2.3.で聞こえた音は1.と同様に発音し、4.は発音しない。

日本語はほとんどが子音+母音の音のため、聞こえ方にそれほどの違いはありません。たまたま短く発音された音が少し小さく聞こえるくらいです。
その聞き方&発音の仕方のままでは、いつまで経ってもカタカナ英語のままです。

小さく(弱く)聞こえる音は、そのまま小さく。
短く聞こえる音は。そのまま短く。
曖昧に聞こえる音は。曖昧のまま。

聞こえた通りに、
あるがままの音をトレースする

聞き方が良くならないことには発音できませんから、聞き取りの時点で間違った音節で聞いていないか確かめましょう。

1音節に母音は1つであること“母音+子音”や“子音+母音+子音”のまとまりが多いことを知っていれば、大体の見当はつきます。
どうしても音節の区切りが分からない場合は、横着せずに辞書で調べましょうね。

音節とリズムの関係

音節とは何か理解できましたか?

わたしたちからすれば別々のものとして認識しているが音が、英語話者からすればひとまとまりだったり、英語のひとまとまりがわたしたちにとっては区切りたい音だったり。
同じ音を聞いていても、かなり認識が違います。

音節数が違えばリズムが変わります。
1音節には1つの母音があるので、歌の場合は基本的に1音節が1音符ということになります。
1音節の音を3音節にしたら、音符が増えて、音程も現れます。
それはもう違うメロディです。
発音だけが悪いと思っていたら大間違いです。
リズムも音程も間違ってしまうのです。

正しく歌っているつもりでも、後から聞くとなんとなく違和感がある…
そんな時はまず音節確認をしてみましょう。

間違った音節のまま練習していると、ますます発音が悪くなります。
間違った発音のまま練習していると、ますます歌が崩れてしまいます。

安易に練習不足だと片づけず、“正しい練習をしているか”を気にするようにしましょう。

音節数が同じでもまとまりが異なる

たとえ音節数が同じでも安心しないこと!
区切る位置(まとまり)が正しいかを確認することも忘れてはなりません。

たとえば、
“America”は日本語でも英語でも4音節です。
但し日本語は「ア/メ/リ/カ」ですが
英語では「A/mer/i/ca」です。
アクセントがつく母音は第2音節の“e”ですが、母音自体は4つありますから4音節になります。

同じく日本語では4音節ある“Spain(スペイン)”や“France(フランス)”は英語では1音節で発音されます。

ややこしい~((+_+))
と思うかもしれませんが、“母音が1つしかない”からと分かれば簡単です。
それぞれの母音は、“ai”と“a”です。“France”の最後の“e”は発音しません。

日本語で発音できる外来語は特に注意しましょう。
ことごとく日本語の方が音節数が多いです。
英語は1音節の単語も多くありますが、日本語の1音節はかな一文字だけです。
“絵”や“尾”や“目”などです。
カタカナ語で1音節のものはほとんどないと思います。
意味は持ちませんが、“The(ザ)”くらいでしょうか。
常に疑ってかかった方がいいですね。

ラララで歌う~リズム唱法~

英語の歌を聞くと、日本語よりも細かく音程が変化しているように感じます。
ですが、それらすべてが意図した音程ではないことを覚えておきましょう。

英語でもしっかり音程がついているのは母音だけです。
なかでもアクセントのついた母音です。

同じ母音でもアクセントを付けないときはそれほど強く音程は現れません。
音程らしきものを感じても、それがあいまい母音なら音程もあいまいのまま。
当たり前ですが、有声子音に音程をつけたり、よもや子音の閉鎖音の後ろに母音をつけていたらメロディーはめちゃめちゃです。

音が、呼吸が、途切れず変化する英語では
音符にできない音が多く存在する

英語の歌の場合、完全に正しいメロディ譜は書けないと個人的に思っています。
アクセントのついた母音であっても、それが長母音でも短母音でも、1つの音の中で僅かですが変化しています。
それは、口のかたちの変化に伴って起こることもあるし、呼吸の加速や減衰に伴うこともあります。

要するに、
確実に通過したい点(音程)を通りつつ、その間も途切れず変化している

有声音には振動があるので、母音でなくても何かしらの音程を感じますよね。
だからとって言って、それらの音すべてに音程をつけるようなら、それはカタカナになっているということです。

細かな音程の変化を感じ取ることは必要です。
ですが、不必要な音程を加えてしまったら失敗です。
主要な音程(音符)だけを確認するために「ラララ~」で歌ってみましょう。

“ラ”ひとつが1音節です。
英語としてはそこに母音が1つあります。
母音が一つしかない単語を「ラ~ラ」などと歌わないように。

歌の中でのことなので、100%通常の発音と同じとは限りません。
日本語の歌でもあるように、少し無理のある音の乗せ方をしていることもたまにはあります。
とはいえ、基本的な音節は変わりませんので、音節が変わるところ以外に音程を入れてしまっていないか確かめてみてください。

まとめ 動画付き

  • 日本語と英語では、音声の区切り方、音のまとまりの捉え方が違う。
  • カタカナで歌ってしまうと発音だけが悪くなるのではなく、リズムや音程までも壊してしまう。
  • 1音節には母音が1つ、また1音節=1音符であり、主要な音程はアクセントのつく母音にある。

英語の特性やルールを知らないまま練習していたら、“英語で歌うと下手になる”になっちゃいます( ;∀;)
ここは面倒くさがらずしっかり理解しておきたいところです。

YouTubeで見る

>>>次に進む

関連記事

No responses yet

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。