~目次~
英語独特のリズム
等間隔の音節を均等に発音する日本語に対し、
英語には独特の緩急やリズムがあり、
それこそが最たる“英語らしさ”です。
リズムに関しては〈英語はリズム〉を
音節に関しては〈英語の音節を理解する〉などをご参照ください。
各音素のならびに音節の長さが一定ではないこと、また正しい音節で発音するとアクセントがつくことなどから、英語には独特のリズムが現れます。
「はじめまして」…等間隔で6音節
「Nice to meet you」…長短強弱があり4音節/“meet you”はリンキング(同化)
日本語のような音節で英語を発音すれば、アクセントも付かず、カタカナ英語になり、英語のリズムが消えてしまうことはすでにお分かりかと思います。
英語は、1つの音節、1つの単語の中に音の変化がある。
顕微鏡の倍率を上げるようにグッと近づいてみると、1つの音の中にも変化がある音もあります。長母音“A・I・O”などが分かりやすいですね。
今度はグッと引いて長いセンテンスで見てみましょう。
単語単位でも変化していることに気付くでしょうか?
内容語ははっきりと、機能語はあいまいに
文章の中には、内容を伝えるうえで欠くことのできない重要な語句があります。
それを“内容語”と言います。
「今朝寝坊して慌てて家を出たせいで××を××た」
大事なところは××ですよね。
そこが聞こえないと意味がありません。
“鍵を閉め忘れた”のか、それとも“電気を消しそびれた”のか、あるいは“財布を忘れてきた”のか。
通常の日本語の会話ならば
A「あっ財布忘れた」
B「どこに?」
A「家に」
B「なんで?」
A「寝坊して慌ててたから…」
という感じですかね。
日本語でも内容語に当たる語句を優先して話すのが一般的です。
しかし、内容語と機能語を意識的に区別して発音することはありません。
ですが、英語では内容語を強く長くはっきりと発音し、機能語を弱く短くあいまいに発音します。
英語の品詞
文法上の機能や性質から英単語には大きく分類すると8種類の品詞があります。
- 名詞
- 代名詞
- 形容詞
- 動詞
- 副詞
- 前置詞
- 接続詞
- 間投詞
さらに細かく分類すると
代名詞の中にも、人称代名詞/関係代名詞/指示代名詞/所有代名詞/再帰代名詞があります。
疑問詞がない?
疑問詞には、疑問代名詞/疑問形容詞/疑問副詞があるため、それぞれの大きな分類の中に含まれます。
ここでは品詞のお勉強はあまり必要ないので、ざっくり疑問詞でOKです。
内容語と機能語
どの程度品詞を細かく分類するかにもよるのですが、ここではフォニックスを参照したいと思います。
(参照:フォニックス教授の英語発音教室)
内容語 | 機能語 |
---|---|
1.名詞 | 1.人称代名詞 (主格、目的格及び所有格) |
2.動詞 | 2.助動詞 |
3.形容詞 | 3.冠詞 |
4.副詞 | 4.前置詞 |
5.指示代名詞 | 5.接続詞 |
6.所有代名詞 | 6.関係代名詞 |
7.疑問詞 | |
8.再帰代名詞 |
ちゃんと文法を勉強しようと思わない限り覚えるのは大変ですよね。
でも、各品詞がどんな単語なのかくらいは一度調べてみましょうね。
その上で、
内容語は“意味を持った自立語”
機能語は“それだけでは意味を持たない非自立語”。
ちゃんと言いたいのが内容語
そうでもないのが機能語
それくらいで大丈夫です(^▽^)
そして、
内容語は強く長くはっきりと
機能語を弱く短くあいまいに!
ということを覚えておきましょう。
大事な内容語をしっかり発音することで、相対的に機能語が弱まります。
そのため、機能語にはほとんどアクセントがつきません。
-どの単語にもアクセントはあるんでしょ?
もちろん1つの単語をしっかり発音すればアクセントは付きます。
ですが、自然な文章の中では必然的に消えるということです。
アクセントがつくということは、結構しっかり発音していることになりますから、機能語にもいちいちアクセントを付けていたら内容語が目立たなくなってしまいます。
「わたしの名前は花子です。」
「My mane is Hanako.」
日本語ではとくに助詞を弱く発音するなどのルールはありません。
実際は「花子です」としか言わないですよね。
英語でも大事なのは“Hanako”
それが名前であると言いたいので“name”も大事。
あとは非自立語なので強調しません。
1つの音節
1つの単語だけでなく、
1つの文章の中にも
緩急がありリズムがある
1単語ごと品詞を確認することはありませんが、ざっくりでいいので内容語と機能語の区別くらいはしておきましょう。
文章の意味が完璧には分からなくても、とくに“言いたい語”はどれか?
そのくらいは分かっていなければなりません。
内容語にはアクセントがつかず、たまたま勢いづいた機能語ばかりにアクセントがついていたら、それはとても不自然な発音になっています。
日本人は一定のリズムを好むので、等間隔でアクセントがついていることもあります。英語独特のリズムを理解しましょう。
変な癖がついていないか?
自分の歌唱動画を検証してみてください。
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韻を踏む
英語でも日本語でもラップで韻を踏みますが、韻を踏むのはラップに限ったことではありません。
歌は規則性の集まりです。
- メロディ―(音程)の規則性
- リズムの規則性
- 音韻の規則性
細かく言えばまだありますが、大きくはこの3種類。
日本語では主に母音で韻を踏みますよね。
母音骨格ですから。
-じゃあ英語は子音?
はい…と言いたいところですが、両方です。
英語でも音程がついているのはやっぱり母音。
子音でも強く鳴る音では韻を踏めますが、振動の弱い音では聞こえません。
やはり強調したいわけですから母音で韻を踏んだ方が目立ちます。
個人的には、子音では“s”や“t”などの強い無声音、語末の“dy”や“ly”や“er”などの有声音が多い気がします。
母音はやっぱり長母音が多いですね。
子音と母音の両方で韻が踏めるので、音韻の規則性は日本語の歌より強い!
カタカナ英語では気付けなかったかもしれませんが。
英語は便利な表音文字ですから、スペルを見るだけで音が分かります。
歌詞を再チェックしてください。
気付かぬところで韻が踏まれているかも。
音韻の規則性を優先するとき、あえて内容語と機能語の差をなくすこともあります。
何を強調したしたいかは取捨選択してください。
それも歌い手の表現力です。
まとめ 動画付き
- 英単語には主に8種類の品詞がある
- 各品詞は二つに分類すると内容語と機能語に分けられる
- 内容語ははっきりと、機能語はややあいまいに発音される
- 英語の歌では子音と母音の両方で韻が踏まれる
- どんな規則性や表情を優先するかは歌い手次第!
出しやすければ強く(大きく)、出しにくければ弱い(小さい)なんていう自分本位な緩急をつけていては、音楽的なリズムを壊してしまいます。
でも“音楽的”というのはなかなか難しい。。。
ならば英語のリズムを音楽に応用!
まずは、自分でリズムを組み立てる練習をしてください。
>>>次に進む
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