英語と日本語では何が違うのか?

どうせ歌うなら、上手く歌えるようになりたい
どうせ練習するなら、上手くなる練習がしたい

そのために英語を最大限活用するのがこの英語歌唱メソッドです。
まずは日本語にはない英語の特性やルールを知ることから始めましょう!

英語にはあって、日本語にないもの

  • 強弱アクセント
  • 長母音や短母音など複雑な母音
  • 連続する子音や子音で終わる語
  • リンキング(リエゾン)

ここでは、この4点を取り上げます。
もう少し詳しく説明しますね。


アクセントについて

日本語にもアクセントはあります。
高低アクセントです。
イントネーションと言ったほうが分かりやすいでしょう。

英語は強弱アクセントになります。
日本語は音節単位で変化しますが英語は母音1音素に付きます。

たとえば“Hello”はHel-loの2音節。
アクセントは2音節目の母音“o”に付きます。

日本語なら“ハロー”は3音節です。
日本語的な発音なら、第1音節の“ハ”が高く、第2音節以降がやや低くなるのでは?

あらら…
英語の抑揚とは完全に逆になってしまいました。

英語の動きに寄せて発音するなら“ロー”を上げたほうがまだ近いかも。
ですが厳密には、“o”の1音素にアクセントが付くため、日本語の“ロ”に付けることはできません。

英語をかな読みした時点で
強弱アクセントは失われてしまう

母音について

日本語の母音は『あいうえお』の5つです。

英語の母音には、長母音・短母音・二重母音・三重母音がありおよそ26個。
日本語の5つの母音では到底代用できません。

無理やり5つの母音を当てはめるからカタカナ英語になってしまうのです。

たとえば“Name”の“a”は長母音で“エィ”と発音します。
日本語では“ネーム”と母音を引伸ばします(長音)。
“a”単独の音は消えてしまいました。

 それは、日本語の最小単位はかな一文字だからです。

英語では、“N”と“a”は別々の音です。
でも日本語では、“ネ”という音にまとめられてしまいます。

カタカナ英語では英語の音素が
聞き取れず、また発音できない

子音について

日本語は主に母音を中心に音を聞き取っています。

英語は主に子音を中心に音を聞き取っています。

日本語の1音素はかな一文字で、
“ん”を除けばすべて“子音+母音”でできており
基本的に子音単独の音は存在しません。

それに対し、英語の1音素はアルファベット一文字で、
1単語には子音が連続したり、子音で終わる語も多くあります。

日本人にとって、
子音単独の音は認識されづらく
ノイズとして処理されてしまいます。

とくに、Stop/Kid/Feel/Talk/Farmなど
語末が子音の閉鎖音で終わる単語は
子音の後ろに母音をつけたくなります。

ストップ/キッド/フィール/トーク/ファーム

ネイティブの会話や歌での速い発音では
聞き取ることができず、自分が発音するときには
省略してしまうわけです。

リンキングについて

日本人は律儀にも、英語を単語ごと区切って発音してしまいます。
それは、日本語が単語ずつを助詞でつないで文章を作ることに起因していると思われます。

言いたいことをすべて文章にしてから話しますか?
大抵は、話しながら次のことばを探していますよね。
それ、日本語の、日本人の、癖みたいなものなんです。

しかし、英語は語順が大事です。

日本語は助詞さえ正しければ語順が入れ替わっても意味が変わりません。

彼は テニスが 好き です
テニスが 彼は 好き です

He likes tennis.  彼はテニスが好きです。
Likes tennis he. 彼のテニスが好きです。

言いたいことをいうための語順は決まっているため、英語は長い文章でも一息で一気に発話されます。
日本人(日本語)よりもかなり長いセンテンスで話すのは、映画やドラマのセリフを聞けば分かりますよね。
結果的に、流暢な話し言葉では自然と音がつながる部分が多くなります。

また、英語は表記上では単語ごとスペースが空けられています。
What are you talking about?
もしスペースがなければ
Whatareyoutalkingabout?
読みにくいですよね (^^;

でも、発音上は下の文章のイメージに近いです。
“わっらゆぅたぁきんなばぅ”

長いセンテンスを一呼吸で速く発音することで
音が連結したり、脱落したり、別の音に変化したりします。

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