~目次~
【ボーカル研究室】 Avril Lavigne(アヴリル・ラヴィーン)とは
病を克服し、みごと復活を遂げたAvril Lavigne。5年ぶり、6作目となるアルバム『Head Above Water』から同タイトル曲をご紹介します。
~PROFILE~
世界トータルセールス4000万枚、最強無敵のロック・プリンセス、アヴリル・ラヴィーン。カナダ出身、2018年の誕生日(9月27日)で34歳に。
彼女に目を留めたアリスタ・レコードのスタッフが当時の社長L.A.リードにアヴリルを紹介、目の前でパフォーマンスをしたアヴリルは一発で気に入られ16歳で契約。2013年11月、通算5作目にして初のセルフタイトル・アルバムとなる『アヴリル・ラヴィーン』を発表。「ロックンロール」「ネヴァー・グローイング・アップ」を収録した同アルバムは全米トップ5位を果たし、米ゴールド・ディスクを獲得。日本で撮影された「ハロー・キティ」MVでも話題を呼んだ。リリース翌年(2014年)の2月には、武道館公演2回を含む来日公演を敢行。同年夏にはSummer Sonicで再来日を果たしている。
2018年9月6日(US時間)、ファンへのオープン・レターを公式サイトに公開。2014年のワールドツアー中から体調不良に苦しんでいたが、同年12月にライム病と診断され、以来闘病中であったことを告白するとともに、その苦難の中で最新曲「ヘッド・アバーヴ・ウォーター」を書きあげたことを報告。長い間彼女の復活を待ち、回復を見守ってくれていたファンへの感謝の思いを綴るとともに、勇気と希望を与える音楽をこれからも作り続ける意思を伝えた。
Sony Music Entertainment Inc.より抜粋
音楽活動と並行し、2010年に自身が立ち上げた慈善財団「アヴリル・ラヴィーン・ファンデーション」で慈善活動を継続。現在、ライム病を始めとする難病患者支援のためのチャリティ活動を精力的に行っている。
2018年9月6日、ファンへのオープン・レターを公式サイトに公開。
その手紙の中で、2014年のワールドツアー中から体調不良に苦しんでいたこと。同年12月にライム病と診断され、以来闘病中であったこと。
その苦難の中で最新曲「Head Above Water」を書きあげたことを報告しました。
ここ数年の闘病生活を「肉体的にも精神的にも今までの人生で一番辛い日々だった」、また「 自分の声が生きる原動力 となる」と彼女は語っています。
「Head Above Water」 では、“水の中にいるような息苦しさ”、“この荒波に負けないように、飲まれないように”と、苦難に立ち向かう闘病中の彼女の心情が吐露されています。
復活後の彼女のヴォーカルは、今まで以上に力強く伸びがあり、ポップ・ロックのイメージが強いアビーですが、少し大人になったこともあり、よりエモーショナルに感じられます。
闘病中、深く自分を見つめなおし、音楽を作ることができたというアルバム 「Head Above Water」 は、その多くがバラードです。
アヴリルらしいポップ・ロックを期待する人にとっては少し物足りなさもあるのかもしれません。
ですが、5ヵ月もの寝たきり生活を強いられ、死をも意識せざるを得なかった彼女からすれば、このアルバムも今の“アヴリルらしい”作品なのではないでしょうか。
親日家としても有名なアビー。日本のファンも応援しています。新生アヴリル・ラヴィーンの今後の活躍を期待せずにはいられません。
洋楽を歌ってみよう~歌い方のポイント~
「Head Above Water」 ~アルバム 「Head Above Water」 より~
キーはDm。最低音はA音、最高音は2オクターブ上のD音となっています。
音域としては、女声に歌いやすい曲と言えます。
まずは拍の取り方に注意!
最初、イントロからAメロにかけての拍子があれ?と感じると思います。
この独特な拍子、揺らぎが、この曲でのアヴリルの心の動きを物語っていると思います。
カウントを入れながら聞いてみましょう。
1-2-3-4 | 1-2 | 1-2-3-4 | 1-2-3-4
このように、途中に4分の2が入ります。
倍の拍でとった場合は…
1-2-3 |1-2-3-4
となり、3拍子と4拍子の組み合わせになるかと思います。
主メロを歌う上では、どちらの感じ方が良いか、または正しいか、一概には言えません。
メロディーの音符が大き過ぎて、どうしても間延びしてしまう人は前者で、逆に音がブツブツと切れてしまい伸びやかに歌えない人は後者で。
16分の縦軸があるので、基本は前者の取り方が良いかと思います。
ただAメロの表情に関しては後者の方が近い気が…ん~悩ましいですね。
両方やってみるのが一番かな?
覚えるのは簡単、でも歌いこなすのは難解
この曲は、キーやテンポ、音程や符割だけで考えれば決して難しい曲ではありません。洋楽初心者向きと言ってもいいくらいです。
ただ、歌として、「 Head Above Water 」という作品を表現しようと思うと….かなり難しい!まず冒頭の1フレーズが肝です。
音域としてはベストなラインなのかもしれません。
でも、なかなかアヴリルのようにスパーン!と伸びやかにはいかないはず。
音圧はそこそこ上げ、それでいて表情が乱暴になり過ぎないように、ギリギリ抑える感じです。
音の連続性を保ちながら、緩急は大きく
1フレーズ目の中でも、とくに重要なのが“Keep”のところ。
拍頭で、“き”と発音してしまったらアウトです。
直前に子音の“k”の阻害を十分につくり、拍頭では母音の“e(い)”がグンッと伸び上がれないと、音程が欠けてしまうか、何だかしょぼい歌い方になってしまいます(;´∀`)
音符の一つ一つが大きい(長い)ため、英語のアクセントがしっかり拍に合わせられないと目立ちます。
ゆっくり発音できる分、下手をすれば“カタカナ”で歌ってしまいそうになります。
丁寧に、子音から母音、また子音へと変化させ続ける練習をしてください。
口の動きも要チェックです。
Aメロとサビがほぼ同ライン
通常、Aメロの音域の方が低く、サビではそれより高い音域を歌うのが一般的です(もちろん例外は多数ありますが)。
この曲ではミドルのA音を中心に歌うという意味では、Aメロとサビのラインがほとんど変わりません。
そのため、全体的に強く歌い続けるor変化に乏しく盛り上がらない、という歌になりやすいでしょう。
音高の変化に頼り過ぎず、構成上の展開を考え、各楽段、各フレーズ、各音の表情を選ぶのが大切です。
この曲は、初心者から上級者まで、それぞれのレベルに応じた課題に取り組むことのできる曲です。
“何が練習できるか”を見定め、結果として“何が足りなかったのか”を分析してみると良いでしょう。
『Head Above Water』を歌ってみた~PURE VOX 動画~
とにかく、“しんどかった!”の一言です(´;ω;`)
先述したように、キーは高くないし、レンジも狭めなので、それほどキツイ曲ではないはずなのですが。。。
せっかくアヴリルの曲なので、Aメロを除いては、そこそこロック・テイストを入れて歌おうと思い、声調は浅めの明るめにしてみました。
Aメロは、あれこれ悩んだ結果、伸びやかさがギリギリ残せるようにした上で、やや抑えて歌っています。
いかにもアカペラのような歌い方ではつまらないし、かと言って冒頭から飛ばし過ぎると後々にひびく。
自分の身体に響かせやすいところで歌えば、体力はあまり使わずに済むのですが、それではロックの感じがなくなってしまう。
結局、微妙なポジションで歌い続けています。つま先立ちで歩き回るような、妙なしんどさがありました。
全体を通して、丁寧に歌うところと、少々粗削りになってもエモーショナルに歌うところを分けてみました。
甘い音程も多々ありますが、そこは心意気でご勘弁をm(__)m
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