~目次~
長音と促音
思い込みは禁物!
あると思っていたら間違う英語にはない音?!
わたしたちには、“子音+母音”が1セットだという思い込みがあります。
その他に、伸ばす音(長音)も1音節、無音(促音)ですら1音節。
とにかくきっちり等間隔です。国民性が伺えますね(-_-;)
音節が何かわからないと困りますので、〈英語の音節を理解する〉で音節については確認しておいてください。
話を戻しますね。
促音なんて表記上は“っ”と書きますが、発音上は無音です。
無音なのに音としてしっかり捉えているんです。
これ以外と難しいことなんですよ。
日本語では確かに1音節として存在している長音と促音ですが、
英語にはどちらも存在しません。
えっ?英語にだっていっぱいある?
BASE BALL(ベース・ボール)とか?
RED SOX(レッド・ソックス)とか?
いえいえ、どこにもそんな音はありません。
ただ日本人にはそう聞こえるだけです。
~母音を伸ばしていると誤解しやすい音~
- 長母音 (safe/cute/noteなど)
- R音 (girl/sports/printerなど)
- 語末のy (Disney/pony/candyなど)
~無音だと勘違いしやすい音~
- 同音二重子音の中での無声破裂音 (apple/Shutter/pepperなど)
- 語末の破裂閉鎖音 (step/kick/headなど)
長音化してしまう音の代表はやはり“R”ですね。
“Super computer(スーパーコンピューター)”の場合なら、
各語末の“er”は日本語でなら“-”を使いますよね。
本来は音の変化があるのですが、「パー」「ター」と伸ばしてしまいます。
また、“Super”の「スー」、“computer”の「ピュー」、こちらも日本語では伸ばしてしまいます。
おそらくですが、アクセントのついた短母音の直後に閉鎖音がくることで一瞬促音のような間を感じているのではないかと推察します。
また日本語のリズムとして、2拍のまとまりを好むため、長音を加えて日本語的な音節に近づけてしまうのでしょう。
短母音は発音としては短い音ですが、アクセントがつくことでやや長く感じるので、英語では伸ばす印象のない音でも、日本語的に捉えた時のみ長音化させてしまうこともあります。
英語には長音も促音もない
英語に長音も促音もないということは〈英語はリズム〉でも説明しました。
日本語の歌唱では表現すべき大事な音ではありますが、英語にはないのですから、そもそもカタカナで書いたときに“-”や“ッ”を使うものはほぼ音節数が違います。
“スーパーマーケット”は日本語では9音節もありますが、
英語なら“”su/per /mar/ket”で4音節です。
余分な音節には余分な母音がついてしまい
余分な音程までついてしまう
練習曲を聞くとき、歌うときは、予めカタカナ語になっている単語を中心に、長音化、促音化しやすい音をチェックしておきましょう。
日常会話の中でもわたしたちは頻繁に外来語(カタカナ語)を使っています。
そのうちの何割かはもう日本語として定着しています。
「これは日本語であって英語ではない」
と自覚していても、同じ単語を発音するとき、つい思い浮かんでしまうのはやはり“日本語の音”です。
日本語の音素
日本語の音節
日本語のリズム
日本語の母音
一つひとつ解決していくしかありませんが、せめて初めから“ない音”は使わないようにしましょう。長音と促音がなくなるだけでも随分と英語らしくなります。
特徴的な短母音
長母音はアルファベットの中にある音でした。
この5つの音は日本語の「あいうえお」とは似て非なるものです。
口の動作、音の変化を捉えることがポイントでしたね。
では、次に短母音の中からいくつか特徴的な音を練習しましょう。
英語の母音すべてを制覇したいところですが、腹式呼吸も調音も十分でないうちは無理をしないこと!適当に覚えてしまったら後々面倒です。
以前にもお話ししましたが、
「今はまだ、この音は変だ」
と分かっていれば大丈夫です。いっぺんに全音素は獲得できません。
但し、すでに聞こえている音、特徴を押さえて練習している音はしっかり狙って調音しましょう。
英語の音が一つ増える度に、英語にはないはずの音が目立ってきます。
そうやって少しずつ英語ボックスの中に正しい英語の音を追加していきながら、代用していた日本語の音を取り除いていきましょう。
母音の中で、いちばん大きくはっきりと聞こえるのは「あ」です。
歌は腹式呼吸で、普段よりも高い声や大きな声を出すのでさらに良く聞こえます。
でもその音が間違っていたら?
ということで、最初にマスターすべき短母音として、日本語で「あ」と聞こえてしまう(発音してしまう)音から練習しましょう。
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「あ」に近い短母音
- hot 「ɑ」
- cat「æ」
- up「ʌ」
- away「ə」
1.の「hot」は日本語的には「ホット」、でも英語ではもっと口を縦に開けた「ハット」に近い音です。ちなみに帽子の「hat」は2.の音です。
2.の「cat」は口を横長にして出した強い音です。口を横長にしている分「え」の音が混ざります。
3.は口元を緩めて喉の奥で鳴らす感じ。日本語で会話している時、何の気なしに出している「あ」がこれに近いと思います。
4.はあいまい母音(弱母音)です。3.よりもさらに弱くあいまいな音です。
聞きようによってはどれも「あ」と聞こえてしまう4種類です。
音で覚えようとせず、先に口のかたちを覚えましょう。
英語の母音は、日本語のように均一ではありません。
強い音もあれば、弱い音もあります。
はっきりした音もあれば、あいまいな音もあります。
長く聞こえる音もあれば、短く聞こえる音もあります。
そんなさまざまな違いのある音を、日本語のどれかに当てはめるなんて乱暴です。
たとえすぐに音の違いが分からなくても、口のかたちや舌の位置など調音の違いが分かればだんだん区別できるようになります。
最初に長母音5つ、次に弱母音含む「あ」に近い短母音を4つ!
これだけでもカタカナ英語、ジャニーズイングリッシュにおさらばできます。
その他の母音は、これらの音の区別がついてからでOK。
違いが聞き取れたら、必ず口のかたちから練習しましょうね。
まとめ 動画付き
- 母音を引き伸ばすのが“長音”
- 1拍分の無音をつくるのが“促音”
- “長音と促音”そのどちらもが英語の発音には存在しない
- 母音はまずアルファベットにある長母音から習得
- 長母音の次は「あ」と聞こえる4つの短母音を習得
- どの母音を練習するときも、口のかたちや舌の位置に注意
>>>次に進む
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